永井前理事長退任ご挨拶
前理事長 永井 紘一
私こと、去る平成30年11月17日、任期満了により関川水系土地改良区役員を退任しました。平成18年10月、6土地改良区合併時に理事に就任、2期目は副理事長として、3期目は理事長として勤めさせていただきました。この間、役職員はじめ組合員皆様には、種々ご教授・ご支援・ご協力いただくなど、大変お世話になりました。ありがとうございました。
今、振り返りますと、平成24年3月の国川地内で発生した大規模地すべりによる上江用水路の被災、平成28年の暖冬小雪による水不足から22年ぶりの番水の実施、平成29年10月の西条地内山側法面崩落による上江用水路被災、そして昨年の3月には板倉発電所脇地すべりに伴う番水実施など、「水が命」の土地改良区にとって大変な事象がありましたが、組合員皆様のご理解、関係機関のご支援・ご協力により窮地を救っていただきました。重ねて御礼申し上げます。
また、平成27年10月には「上江用水路」が世界かんがい施設遺産に、昨年の3月には「関川水系土地改良区と客水地区賦課金減免制度」が世界水遺産として、いずれも県内唯一登録されました。用水を求める切実な願いによって掘削・管理を進めてきた先人の偉大な功績が認められたものであり、当地域農業の歴史や文化を市民皆様から改めて実感していただく大切な機会となりました。用水路の建設や管理にご尽力いただきました先人・先達、地元関係皆様のご労苦に改めて敬意を表すものであります。
「農は国の基」と言う言葉があります。この地で農業を続けることは「ふるさと」を守ることであり、国を守ることであると申し上げてきました。農業の持つ意義・機能(環境・食糧・国土保全)を広く一般市民の皆様に知っていただく必要があると思っております。また、土地改良区にとって「農地」とは単なる土地ではなく「領土」であると考えます。先人の遺産(用水施設を含む農地)を後世に引き継いでいただくべく、各種事業を進めてまいりましたが、まだまだ課題が山積みとなっております。
この地域で持続可能な農業・土地改良区であるため、新役員・職員皆様にはご尽力いただきたくお願い申し上げます。最後に、先人の偉業に感謝し、組合員各位のご多幸、ご健勝を祈念申し上げ退任のご挨拶とさせていただきます。