第34回 通常総代会ごあいさつ
第34回通常総代会開会に当たり、ご挨拶を申し上げます。
日頃より、関川水系土地改良区の事業運営にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
連日報道されておりますロシア軍によるウクライナ侵攻、その影響により日本国内においては今後、生産資材など様々な物価上昇が予想され、食料安全保障等議論される中、悲惨な戦争は一刻も早く終息してほしいものです。
また、新型コロナウイルス感染症も本県において、まん延防止など重点措置適用終了後も感染者が多く、全国的にも第6波が減りきらず米価下落の大きな要因となっている業務用米の需要減が懸念されます。
遅れましたが、本総代会に来賓としてご臨席を賜りました新潟県上越地域振興局農林振興部の坂井副部長様におかれましては、公務ご多忙の中ご臨席を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、今日の農業を取り巻く情勢は予想を超える厳しさで、地域農業と集落機能は基より、地域の環境維持が懸念されております。 人口減少や米離れ等、慢性的な米消費の減少に加えて、農業従事者の高齢化・担い手不足・米価低迷などにより、農業経営の自立・維持が困難となり、全国的に耕作放棄地の拡大や生産組織の崩壊が発生しております。当管内でも担い手・後継者不足から将来を見通せず生産組織の解散が一部に発生しており、その波及が懸念されます。
これまでも大規模経営体より、今後のほ場整備等の条件整備や農地の流動化が進む中で米単作地帯として、低米価の中での生き残り策等、相談されました。
管内農業の現状は、園芸・畜産など専業・複合経営等で素晴らしい実績を上げている経営体もありますが総じて、米単作地帯で今日の低米価と担い手不足で経営内容は深刻です。
今後の農業経営の手法としては、地域の特性を活かした園芸・畜産など高収益部門との複合経営は当然としながらも先ず、稲作経営をどのように安定させるかであります。全国有数の強重粘土地帯で、笹ヶ峰ダムと野尻湖を水源とする恵まれた水資源の基に、長い歴史の中で今日まで延々と米作りに励み、上越米は全国の消費者から高い評価を得ており、令和3年産米の日本穀物検定協会の食味ランキングは、9年連続の特Aで県下のトップクラスです。
この恵まれた立地条件を最大限活用し、徹底したコスト削減により先ず米で生き残る(儲ける)ことが最優先課題です。このことから関川水系土地改良区では大区画ほ場整備を契機に、地球の温暖化現象下での異常気象対策や水資源の有効利用などコスト削減と複合営農を目指した農業施策を ①大区画ほ場整備 ②スマート農業 ③乾田直播を「令和農業三種の神器」として、行政をはじめ関係団体と共に強力に推進致します。
これらを踏まえて、この3月18日より、新潟県上越地域振興局をはじめ、上越市・妙高市・農業委員会・農業共済組合・JAえちご上越にそれぞれの立場で、大区画ほ場整備など条件整備を契機に、稲作を主体とする上越農業発展のために共に努力するように強く要請して参りました。その時の資料を参考までに本日、総代さんに配布させて頂きましたご活用いただければ幸いです。
前置きが長くなりましたが、令和4年度事業の詳細につきましては、後程担当より説明がありますが、私の方から特徴的な点を申し上げます。
<国営かんがい排水事業 関川用水地区>
笹ヶ峰発電所の新設と笹ヶ峰ダム、上江・中江両幹線用水路等の改修で、平成26年度より、事業開始となりました本事業も令和4年・令和5年の2か年となりましたが、確実な事業完了を目指して、北陸農政局に強く要請致します。
なお、上江・中江両幹線用水路・参賀用水路は改修工事に当たり非かんがい期の令和4年9月11日から令和5年3月下旬まで、用水路は断水となりますのでご協力下さい。工事完了後は、それぞれ通常通水となります。
<県営ほ場整備事業の促進>
経営体育成基盤整備事業では、継続6地区499.9ha・調査8地区680.9ha・構想地区825.9haの早期完了と採択を目指して新潟県に強く要請致しますが調査・構想地区においては、法手続きなど早めの準備をお願い致します。
<笹ヶ峰発電所の稼働>
令和4年度は、国営かんがい排水事業で、笹ヶ峰ダムの取水施設の改修に伴い非かんがい期の取水停止などから、売電量は大きく減少する見込みです。 工事完了後は制限水位の緩和により、冬期間の発電が可能となり売電量も期待できます。
<水利施設の維持管理>
きめ細かな用水管理に努め、水利施設の保守・点検・長寿命化対策等、計画的に事業を進めます。また、地球の温暖化が原因とされ頻発している異常気象や災害など、予測不能な時代に情報網を最大限活用し、関係機関と綿密な連携の基に水利施設の安全対策と用水供給に万全を期します。
結びになりますが、本日提案致します議案は報告含めて24件であります。
慎重審議を頂き、議決・承認を頂きますようお願いを申し上げまして、開会のご挨拶とさせて頂きます。
令和4年3月28日
関川水系土地改良区
理事長 齋 藤 義 信