第37回 臨時総代会ごあいさつ
総代各位におかれましては、連日の猛暑の中、またお盆直前の大変お忙しいところ、ご出席を頂き有難うございます。また、上越地域振興局農林振興部の太田課長様におかれましては、公務ご多用の中、ご臨席を賜り誠にありがとうございます。
さて、今冬の笹ヶ峰ダム周辺の積雪は記録的な少雪となり、田植え後に用水が不足する恐れがあることから、6月から番水を実施することとしておりました。しかし、結果的に6月11日に梅雨入りした後は、適時降雨があり、番水のためのゲート操作をすることはありませんでした。そして7月21日梅雨明け後、連日の猛暑が続いていますが、水がめである笹ヶ峰ダム・野尻湖についてはかんがい放流を実施しております。昨日現在、笹ヶ峰ダムの貯水位1,216.65㍍で、残貯水量は646万㌧(残70.2%)、野尻湖の貯水位は1.72d㍍で、残貯水量は731.9万㌧(残74.9%)となっており、当面の用水量は確保されています。しかしながら、梅雨明け以降まとまった降雨がなく関川の自流が急激に減少したこと、さらに連日の猛暑で組合員の皆様が一斉に水をかけるようになったことから、下流地域で用水不足をきたす状況となりました。また、今後もしばらく降雨の予報がないことから、最悪の干ばつ災害を想定して、現在、既にご案内しておりました番水のスケジュールに沿ってゲート操作を徹底するように指示したところであります。当改良区としては、天候の状況を注視しながら用水調整に努めて参りますが、組合員の皆様にも節水対策をお願いするとともに、上流・下流のそれぞれの優先取水の順番をお守りいただき、公平で円滑な配水管理にご理解ご協力をお願い致します。
関川水系土地改良区を巡る情勢について、いくつかお話しさせていただきます。
1.国営かんがい排水事業関川用水地区
平成26年度から実施されている国営事業ですが、当初計画では令和5年度完了予定としていましたが、やはり、かんがい期間はダムの水位を下げられず工事期間が9月から11月までの3ヶ月という短い期間となることから、少しずつ事業の進捗に影響を及ぼすこととなってきました。土地改良区としては、事業期間の延長を要望し、確実な改修・更新工事の実施をお願いしてきたところであります。また、笹ヶ峰ダムの堆砂対策も一日も早い事業化を北陸農政局に要望してきたところです。
2.県営ほ場整備事業
農業を取り巻く環境は、米価の下落、農業従事者の高齢化、担い手の不足など、厳しい状況が続いています。このような中、大区画ほ場整備事業を契機とした「経営規模の拡大」と「スマート農業等を活用した生産コストの削減」、及び「高収益作物の作付拡大による汎用化農地の最大限活用」を行うなど、農業所得の向上を図り、持続可能な「儲かる農業」の実現を目指す必要があります。
関川水系土地改良区管内では、継続地区が5地区、令和5年度新規採択が4地区で計9地区で実施中であります。この他に構想地区として11地区の推進を行っております。米消費量の減退が下げ止まらず、高米価の期待できない今日、コスト削減の絶対条件である大区画ほ場整備事業を今後も積極的に推進し、継続地区の早期完了と構想地区の早期採択に向けて、国・県への要請活動など事業の促進に努めて参ります。
3.電気料高騰対策
令和4年度に燃料価格高騰に起因して電気料金が値上がりしたため、国の補助事業(省エネルギー化推進対策事業)が創設され、当改良区においても県費上乗せ分を含み合計9,756,727円の補助金交付を受けました。この補助金については、令和4年度で各揚水機場会計等に充当し電気料金の負担軽減を行ったところです。しかし、令和5年度でも、さらに電気料金の高騰が続いていることから、農林水産省では令和5年度分の電気料金高騰支援対策を決定したところであります。また新潟県・上越市においても国の補助に上乗せを行う方針を決定したと聞いています。詳細が決まりましたら、当改良区においても申請をする予定であります。
4.女性理事登用の検討
女性理事登用については、3月の通常総代会でお話ししたとおり、本年度より検討委員会を設置し検討を始めたところであります。昨日、第1回目の委員会を開催し、意見交換を行うと共に全国的な現状や先進事例など研修を受けたところであります。
今年に入って、農林水産省・北陸農政局・新潟県・全国土地改良事業団体連合会から、「関川水系土地改良区でも率先して女性理事登用について進めて欲しい」と検討要請がありました。当改良区は先般、農林水産大臣表彰を受賞したことや、新潟県内の土地改良区の模範的土地改良区としての期待もあることから、女性理事登用に向けても積極的に検討を進めていきたいと思います。
結びになりますが、本日提案致します議案は令和4年度事業報告と決算、並びに令和5年度補正予算など8件であります。慎重審議を頂き、議決・承認を頂きますようお願いを申し上げまして、開会の挨拶とさせて頂きます。
令和5年8月4日
関川水系土地改良区
理事長 野口 和広