第39回 臨時総代会ごあいさつ
第39回臨時総代会開会に当たり、一言の挨拶を申し上げます。
総代各位におかれましては、連日の猛暑の中、またお盆直前の大変お忙しいところ、ご出席を頂き大変有難うございます。また、上越地域振興局農林振興部の河村副部長様におかれましては、公務ご多用の中、ご臨席を賜り誠にありがとうございます。
さて、昨年は7月21日以降まとまった降雨が1ヶ月以上なく、さらに8月14日の39.5度を最高に異常高温が続いたことで、各水源池が枯渇。渇水により上越地域では水稲の品質・収量ともに過去最低の結果となりました。
主要水源である笹ヶ峰ダム・野尻湖については農業用水としてかんがい放流できる水量はほぼ使い切っております。特に野尻湖は1,655年以来利用してきましたが、この水がなかった場合、上越地域の水稲状況は散々たる結果になったことは容易に推測ができます。改めて小栗美作翁を始めとした先人達の偉業に感謝するとともに、かんがい施設として重要な施設である野尻湖について組合員の皆様からも再認識していただきたいと思います。
今年は、笹ヶ峰ダム周辺の積雪は前年に続き少雪となり、平年より11日遅れて6月22日に梅雨入りとなったため、梅雨入り前の一時期笹ヶ峰ダムの貯水量は例年より低い水位となり、番水の計画をしたところですが、今のところ水位は回復しております。
なお、昨日現在、笹ヶ峰ダムの貯水位1,218.72EL.mで、残貯水量は794万㌧(貯水率86%)、野尻湖の貯水位は1.98mで、残貯水量は844万㌧(貯水率86%)あり、梅雨明けが例年より遅かったことで当面の用水量は確保されています。しかしながら長期予報では高温が予想されており、一気にかんがい用水の需要が高まることが想定されることから、当改良区としては、天候の状況を注視しているところです。今後、無降雨等により下流域への通水が確保できない場合は、計画した番水を含め用水調整に努めて参りますが、組合員の皆様にも一層の節水対策をお願いするとともに、上流・下流のそれぞれの優先取水の順番をお守りいただき、公平で円滑な配水管理にご理解ご協力をお願い致します。
明るい話題として、賃金上昇を上回る農業資材等を含めた物価上昇により農家経済は一層の困窮を極める状況となっておりますが、米の販売が好調により米価が上昇している記事や価格形成について法制化させ、農業や食品産業の就業者の所得向上に向けた環境整備を進める等の新聞記事が多く見られるようになってまいりました。実効性のある政策となるかは注視する必要がありますが、組合員の皆様からはここは踏ん張りどころで、この難局を乗り切っていただきたいと思います。では、関川水系土地改良区を巡る情勢について、いくつかお話しさせていただきます。
1.国営かんがい排水事業関川用水地区
平成26年度から実施されている国営事業ですが、当初計画では令和5年度完了予定でしたが、令和7年度の事業完了に向けて進んでおります。令和5年度までに14,578百万円、91%が完了し、本年度は約1,000百万円で警報局の改修工事や鴨島にある旧中央管理所の撤去工事等がおこなわれております。最終年度となります令和7年度は、残りの事業費の範囲内で改修工事が予定されております。
また前述のように異常気象が普通になりつつある環境下では、笹ヶ峰ダムの貯水量を増やす堆砂対策は急務です。抜本的な堆砂対策の一日も早い事業化を先日、北陸農政局に出向いて要望してきたところです。
2.県営ほ場整備事業
令和5年度に高野・岡野町地区の事業が完了し、本年度は換地清算業務がおこなわれ、ほぼ清算業務も完了したところであります。令和6年度は継続地区8地区(今池・中江有田・三郷・青野・清里第1・高士南部・高士東部・下池部)と新規採択された飯地区の9地区の事業が行われています。調査計画地区として清里第2、清里第3、高士中部地区の3地区が事業採択に向けて調査を進めて参ります。異常気象による水不足に対応するにも大区画ほ場整備やスマート農業の活用は必要なものと思われますので引き続き、国・県への要請活動など事業の促進に努めて参ります。
3月の第38回通常総代会で触れさせていただきました経営体育成基盤整備事業から農地中間管理機構関連農地整備事業への乗り換えについてですが、現在農林水産省と新潟県で協議が続いており、乗り換えを希望されている地区の権利者の方には不安のことと思われます。先日開催した理事会の場において、上越地域振興局より現在の状況と見通しについて説明を受けたところです。当改良区としては、可能な限り対象事業費の農家負担の軽減が図られることが望ましいと考えていますので、引き続き新潟県に対して事業乗り換えがスムーズに進められるよう強く求めてまいります。
3.電気料高騰対策
電気料金の高騰は続いておりますが、令和4、5年度と電気料金高騰に対し国、県、市から補助があり、昨年実績で国、県、市から合計14,330千円の補助金交付を受けたところです。
本年度は国が9月までの電気料金に対して、前年度より値上がりした分の70%を引き続き補助が行われることとなり凡そ8,000千円。県と市は4月分のみ電気料金の国の補助残の3分の1でそれぞれ凡そ100千円。合計8,200千円が見込まれております。
各水利施設においては、節電対策をお願いするとともに新潟県土地改良事業団体連合会と一体となり来年度以降も引き続きの支援を国に対し強力に要請して参ります。
組合員の皆様方にはより一層の節電にご協力をお願い申し上げます。
4.女性理事登用
女性理事登用については、役員定数検討委員会で議論をすすめ、先般の理事会にて委員会の答申をうけて検討し、本日定款等の改正案を提出する運びとなりました。国は令和7年度までに女性理事の割合が10%以上にする目標を掲げており、当改良区も国の意向に沿った形となりましたが、多様性を理解し、社会的支援が得られ、組織の持続の可能性を高め、地域の活性化につなげるためにも女性理事の登用は必要なものと認識しております。総代・組合員の皆様からご理解いただき、持続可能な農村地域には必要なことであると、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
結びになりますが、本日提案致します議案は令和5年度事業報告と決算、並びに令和6年度補正予算など11件であります。慎重審議を頂き、議決・承認を頂きますようお願いを申し上げまして、開会の挨拶とさせて頂きます。
令和6年8月7日
関川水系土地改良区
理事長 野 口 和 広