国営関川用水地区土地改良事業
国営かんがい排水事業 関川用水地区の概要
1. 関川用水地区の事業目的
本地区の基幹的な農業水利施設は、国営関川農業水利事業(昭和43~58年度)で建設しましたが、事業完了後から既に30年以上が経過し、笹ヶ峰ダム及び幹線用水路のコンクリート構造物には損傷や著しい鋼構造物の腐食などが発生し、漏水などにより農業用水の安定供給に支障を及ぼすとともに、水利機能を維持するために多大な管理費が必要となっています。
このため、本事業では、施設機能の監視を行いながら、笹ヶ峰ダム及び幹線用水路の改修を適時に行うことにより、農業用水の安定供給と施設の維持管理の軽減を図り、農業生産の維持及び農業経営の安定に資するものです。
2. 地域の抱える課題
(1)国営施設の著しい老朽化の進行
①笹ヶ峰ダム
【土木構造物】
標高約1,200mの厳しい気象条件下に位置する笹ヶ峰ダムでは、 洪水吐などのコンクリート構造物で凍結融解によるひび割れ、剥離、欠損などが発生。
【機械設備】
鋼構造物のゲート扉体などの腐食が著しく進行し、更に機側操作盤も耐用年数を超過し、開閉操作に支障。
②幹線用水路
開水路区間の一部では、水路側壁のひび割れ、欠損及び地下水圧作用による浮上で段差や傾きが発生。 トンネル又はサイホン区間の一部では、 コンクリート構造物の目地(継ぎ目)又はひび割れからの漏水。
③水管理施設
耐用年数を大幅に超過し、システムの故障や製造中止に伴う交換部品の調達が困難な状況。
(2)維持管理費の増嵩
本地区の国営造成施設を始め、県営事業などで整備された頭首工、揚水機場、排水機場、除塵施設など約70ヵ所にも及ぶ土地改良施設が存在し、これらの施設を適正に管理している関係土地改良区では年々増嵩する維持管理費(修繕費、電気代など)への対応に苦慮しています。
主要工事計画
1.老朽化(長寿命化)対策
各対象施設の老朽化対策は、全面的に取り壊して新しく建設するのではなく、機能診断に基づく劣化度合いや重要度に応じた補強又は補修対策を実施し、既存水利施設の長寿命化を図るものです。
2.維持管理費の軽減対策
笹ヶ峰ダムが有する有効落差を再生可能エネルギーとして活用するため、ダム直下に小水力発電施設を新設し、その売電収益で土地改良施設の維持管理費の軽減を図るものです。
事業費 130億円
予定工期 平成26年度~平成35年度
新たな国営関川用水農業水利事業の発足までの経過
- 平成21年10月21日 国営士地改良事業関川二期地区連絡協議会の設立
- 平成25年4月10日 連絡協議会から関川用水地区推進協議会へ改名
- 平成23~25年度 国営土地改良事業[地区調査]
- 平成26年
2月18日 計画概要等公告(5日間)
5月 7日 施行申請
7月11日 国営関川用水土地改良事業計画の決定[農林水産大臣林芳正]
8月 1日 国営関川用水農業水利事業建設所の開設
8月28日 国営関川用水土地改良事業計画の確定
過去の出来事
- 2017/06/05 国営関川用水地区推進協議会で事業促進要望(H29.5.16)
- 2016/08/24 国営関川用水地区推進協議会で事業促進要望(H28.5.27)
- 2015/10/05 笹ヶ峰ダム小水力発電施設工事安全祈願祭(H27.9.28)
- 2015/06/02 林農林水産大臣に事業の促進を要望(H27.5.20)
- 2014/09/03 関川用水農業水利事業建設所が開設
- 2014/08/18 林農林水産大臣に御礼と要望(H26.7.1)
- 2014/06/12 国営関川用水地区3907名の同意書で認可申請書を提出
- 2009/05/01 関川二期地区地方整備報告検討調査