第27回 臨時総代会ごあいさつ
第27回臨時総代会の開会に当たり一言ご挨拶を申し上げます。本日は、猛暑の中、そしてお盆前のお忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。また、上越地域振興局農林振興部荒川副部長様には公務ご多用の中ご臨席いただき誠にありがとうございます。
3月22日、上越市板倉区山越地内で発生した地すべりに伴い、東北電力㈱の板倉発電所が稼働停止となり、上江用水路と中江用水路への用水供給が出来なくなってしまいました。当土地改良区は緊急通水対策工事等を実施し、上江用水路は飯田川など三河川からの取水や昨年10月の地すべりで被災し応急工事で布設していたダブルプレスト管を撤去、中江用水路は24年ぶりに関川の西条大江口から取水、さらに組合員の皆様には番水をお願いし用水確保に努めてまいりました。現在は、東北電力㈱からも最大限の協力をいただき板倉発電所第3号導水管の通水再開、さらに発電所貯水槽からポンプによる上江用水路への用水供給などにより、例年の約90%の水量を確保することが出来ています。
また、今年の夏は、記録的な高温少雨で、上越市高田で7月の平均気温と日照時間が観測史上1位の記録を更新、また7月の降水量は観測史上6番目の記録48mmで平年の23%でした。気象庁では「経験したことがないほどの暑さ。災害と認識している。」というコメントがあり、まさに猛暑・渇水災害となっています。当改良区管内では、笹ヶ峰ダム・野尻湖の両水源がありますが、今年は平成28年と同様に雪解けが早かったことから、早めに満水にし放流抑制を行ってきました。そして笹ヶ峰ダムは7月14日から野尻湖は7月26日から放流を開始し、現在は8月末まで用水が確保できるように残貯水量を確認しながら放流を行っています。これも皆、先人のお陰であります。しかし、当改良区管内のため池など笹ヶ峰ダム受益以外の地域では、用水が確保できず降雨頼みで大変心配されるところです。
いずれにしましても、今回の板倉発電所停止による上江用水路・中江用水路の用水量不足、また上江用水路は山腹水路の宿命であり常に地すべり災害に悩まされるなど、様々な課題も浮き彫りになりました。何とかこの厳しい夏を総代の皆様はじめ組合員全員で乗り越え、今年の用水通水状況を細かく検証するとともに、緊急取水・予備取水の方策を改めて検討していくこととします。
管内の各種事業につきましては、予算割当・予算執行も順調に推移しています。国営事業は、笹ヶ峰小水力発電所が完成し、試験運転を経て来年7月から正式稼働となります。県営ほ場整備事業は、三和南部・中江北部第2・新道地区の継続地区3地区は進捗率90%を超え事業完了の目途がつきました。平成29年度に採択された高野地区・高柳地区も補正予算が割り当てられ順調に工事が進んでいます。さらに新規地区の希望も上がってきていますが、国や新潟県では、農業者の所得向上を目指して、経営規模の拡大や園芸作物の導入など、担い手の求める営農が実現できる生産基盤の整備に重点を置いています。当改良区としても基盤整備によりコスト削減・所得向上に向けて推進していくこととしています。総代各位のご理解ご協力をお願いいたします。
去る6月1日、土地改良法の改正が成立し、平成31年4月1日から施行されることとなりました。2年連続の土地改良法改正となりましたが、今回の改正は土地改良区の業務運営に大きく関わってきます。主な改正内容は、准組合員制度の創設、総代会制度の見直し、利水調整規程の策定、複式簿記の導入、員外監事(監査)の導入など、近年の農業及び農村をめぐる情勢の変化に対応するための改正となりました。今後、国県から詳細説明を受け、各土地改良区は組合員資格、総代制度、役員・総代選挙の検討や定款・規約の改正及び利水調整規程の策定を進めることになります。総代・町内会の皆様から様々なご意見をいただきながら進めてまいりますのでご理解ご協力をお願いいたします。
本年は、総代選挙役員選挙の年になります。正式に選挙日程が確定しました。総代選挙は9月27日告示、役員選挙は10月31日告示となります。なお今回の各種選挙は、土地改良法改正前の今までとおりの選挙方法となります。8月中に各選挙の案内チラシを組合員皆様にお届けする予定ですのでご準備をお願いいたします。
本日の総代会は、総代・役員の現任期中、最後の総代会となります。総代の皆様におかれましては、様々な懸案事項等の検討をいただき、新たな関川水系土地改良区の業務運営についてご理解ご協力を賜りましたこと、改めてここにお礼申し上げます。
本日提案いたします案件は、平成29年度事業報告並びに決算承認と上江・中江用水路の通水対策費の補正予算など、10議案であります。慎重審議いただき議決・承認くださいますようお願い申し上げまして開会の挨拶と致します。
平成30年8月10日
関川水系土地改良区
理事長 永 井 紘 一