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理事長室

第11回 通常総代会ごあいさつ

 昨年10月の改選以来、初めての通常総代会をご案内いたしましたところ、年度末で何かとご多用の中、ご出席いただき誠に有り難うございます。また、公私共にお忙しい中、上越地域振興局農林振興部関口副部長様にご臨席を賜り、誠に有り難うございます。

 さて、去る3月11日、マグニチュード9.0という観測史上最大の地震が発生し、更に巨大津波により未曾有の大災害となってしまいました。折しも、理事会で総代会に向けた議案審議をしている最中でありました。上越地方は震度4となり、理事会を一時中断し、直ちに土地改良施設の点検を命じたところでありました。更に翌12日早朝4時ごろには、長野県北部の地震で上越地方も震度5強を記録したため、早朝より職員に緊急招集をかけ、土地改良施設の被害状況の確認・点検を行ったところであります。幸い、今回の地震で、関川水系土地改良区管内の主要施設には被害は確認されませんでしたが、末端のパイプライン等の施設は通水してみないと状況がわからない部分もあります。その点も職員に指示したところでありますが、総代の皆様からも留意していただき、もし不具合等がありましたらご連絡頂ければと思います。まだ、引き続き大きな余震も想定されますので、当面の間は、緊張感をもって、災害対応マニュアルに沿って対応していくこととしています。
 被災された皆様にお見舞いと犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、4年前、当改良区の視察で大変お世話になった宮城県土連や亘理土地改良区が被災していることから、今後、新潟県土連と相談し、当改良区としても、少しでも復興に協力できればと考えております。
 なお、今回の震災に伴い、東北電力㈱においても計画停電を実施の予定で、当改良区管内の頭首工・揚水機場・排水機場などの施設も停電により稼働できなくなる時間が生じることになります。この計画停電が長期化した場合、災害時の排水機場の稼働に支障をきたす恐れもあり、現在、県・市当局とその対応について検討しているところであります。通常の通水では大きな混乱は無いと思われますが、地元町内会と連絡を密にして対応していきたいと思いますので、皆様のご理解ご協力をお願いいたします。

 三寒四温を繰り返し、日増しに春めいてまいりましたが、今冬は平成18年豪雪以来の大雪となり、上越市内でも4名の犠牲者が出るなど、皆様方も大変ご苦労されたことと思っております。昨年夏の高温、猛暑で稲作への影響も甚大で減収はもとより、品質も一等米比率が17.8%(コシヒカリ16.2%)と県内でも最下位となり関係機関では原因を究明中であります。
 そんな異常気象の中でも、灌漑用水の配水は野尻湖と笹ヶ峰ダムからの給水で灌漑期間中は計画通り配水することができ、改めて先人先達の偉業に敬意と感謝を申し上げたいと思います。ダム周辺の積雪は今日現在2m96㎝ですので、今年も用水の心配はないものと思っております。
 土地改良区の使命はその管内の農地並びに農業用施設設備の善良な維持管理と灌漑用水の公平で安定した供給、水配だと思っております。そのために皆様方のご協力を頂きながら次のことを重点的に推進してまいります。

1.持続可能な土地改良区構築のための財政基盤の整備・強化
 平成18年10月、6土地改良区が合併してから5年目になりました。合併協議の中で5年間は旧土地改良区の慣習を踏襲することで合意されました。しかし毎年、財政調整基金から6千万円を取り崩しての予算編成を余儀なくされてきており、これでは基金が底をついた時、10a当たり1,000円以上の賦課金の値上げとなり、今の農業情勢から見て到底理解を得られるものではありません。そこで、危機感をもって3年前の平成20年5月に経営検討委員会を立ち上げ、様々な角度から検討を重ねてまいりました。経費の削減はもちろんのこと、維持管理の見直しや事務改善、機構改革等を実施し、かなりの効果が現れてきましたが、抜本的な解決には至っておりません。
 そこで、合併6年目になる平成24年度から、経常賦課金を300円値上げし3,000円とさせていただきたく、今から予備提起させていただいた次第であります。そのため平成23年度から当分の間、役員報酬の10%カット、職員給与の昇給遅延や50歳以上昇給停止を実施いたしますので、総代の皆様始め組合員の皆様のご理解を頂きたいと思います。

2.継続中の県営ほ場整備事業の早期完工と土地改良事業の推進
 政権交代により、平成22年度当初予算は激減でのスタートとなりましたが、再三の請願を重ねた結果、9月、12月、2月に補正予算がつき、前年を越す20億4千5百万円となり嬉しく思っております。県当局並びに農林水産省の関係各位のご尽力に感謝申し上げる次第です。
 合併時10地区あったほ場整備事業が平成22年度までに3地区完工し、残り7地区となりました。この7地区の早期完工を重点課題として取り組んでまいります。
 その一つの対応策として進捗率を上げるため、平成23年度新規に創設される「戦略的作物生産拡大関連基盤緊急整備事業」を利用し、ほ場整備事業の暗渠排水工事に取り組んでいきたいと考えています。
 更に、本年度は、継続中の県営青野池の改修事業や維持管理適正化事業、新規事業として高士地区の団体営ストックマネジメント事業、三田地区の団体営基盤整備事業も予定していますので予算確保はもちろんスムーズな事業実施に務めてまいります。
 なお、これらの平成23年度事業予算については、今回の震災に伴い、一部流動的な状況でもあることから、国会の成り行きを注視していきたいと思います。

3.国営かんがい排水事業「関川二期地区」の推進
 笹ヶ峰ダムは、築造から30年近く経過しているためダム附帯施設及び管理施設設備が老朽化・劣化しており交換部品が無い状況にあり早急な改修が課題です。そして笹ヶ峰ダムの施設設備の老朽化対策として、関川二期地区の推進に重点を置いております。国の計画では、平成23・24年度に地区調査、平成25・26年度で実施設計、そして平成27年度から事業着手と聞いております。計画通り着手できるように国・県・市と連携しながら、推進してまいります。
 また、平行して、維持管理経費(農家負担)軽減のための小水力発電所の建設についても、研究を重ね早期実施に向けて推進してまいります。

4.TPPと産廃問題について
 例外なき関税撤廃で食料・農業・農村を脅かすTPP「環太平洋連携協定」に参加を検討していることについては、他の農林水産団体と歩調を合わせ反対していくこととしています。
 また、信濃町赤川地区での産業廃棄物最終処分場建設計画も中止したとは聞いていないので引き続き関係団体や信濃町と連携して反対していきます。

 以上、重点事項をあげましたが、その他各種課題解決のため役職員一丸となって取り組む所存ですので、総代の皆様方の更なるご理解とご協力をお願い申し上げ、また本日提案いたしました予算案など慎重審議いただき、原案通り承認又は議決いただきたくお願い申し上げご挨拶といたします。

 平成23年3月25日

関川水系土地改良区
理事長 瀧 澤 純 一